こんにちは。板橋エミール矯正歯科です。
前回は矯正治療中の”日常生活”の注意点についてご紹介しました。
今回は矯正治療中の”歯磨き方法”の注意点についてご紹介していきます。
矯正治療中は、治療を始める前よりも歯磨きしにくくなります。
特に、取り外しの出来ないワイヤー矯正治療をされている方は食べ物が挟まりやすかったり、装置の細かい所に汚れが溜まりやすかったり、また、歯磨きをしても実はちゃんと汚れを落としきれていないということが多くあります。
一方、マウスピース矯正は矯正装置を取り外せるので、歯磨きはしやすいですが、いくつか注意点も存在します。
まずは、ワイヤー矯正の方の歯磨き方法から解説していきます。
◎通常の歯ブラシに加え、歯間ブラシ・ワンタフトブラシを活用する
ワイヤー矯正では、ブラケットやワイヤー等複雑な形をした装置が設置されています。
これを通常の歯ブラシだけでしっかり磨くことは難しいので、毛先がひと束になった”ワンタフトブラシ”や”歯間ブラシ”を活用しましょう。
通常の歯ブラシはヘッドが大きいので装置の周りの細かい所を磨くのには不向きですが、”ワンタフトブラシ”や”歯間ブラシ”は細いので、ワイヤーと歯の隙間に挿入しやすく、当たっている部分をよく確認しながら磨くことができます。
◎磨き残しが多くなる部分を意識する
ワイヤー矯正で磨き残しが多くなる部分は、
・ブラケット周り
・歯と歯の間
・歯と歯茎の間 です。
これらの部位を工夫してブラッシングすることで、汚れをしっかりと取り除き、虫歯になりにくい環境を作ってあげることができます。
◎毛先を当てる角度を工夫する
ブラケット周りや歯と歯茎の間は、「歯ブラシを上下から斜め45度に傾けてブラッシング」し、細かく歯ブラシを動かすことで効率的に汚れを落とすことができます。歯と歯の間は、”歯間ブラシ”や”ワンタフトブラシ”を使って1歯1歯丁寧に磨いていきましょう。
その他、デンタルフロスも併用するとさらに清掃効果がアップします。
次に、マウスピース矯正の方の歯磨き方法を解説していきます。
◎マウスピースを装着する前に歯磨きをする
マウスピース矯正の歯磨きで最も重要な点は、装置を装着する前に歯磨きをすることです。
なぜなら、マウスピース矯正は、1日最低20~22時間以上装着しなければいけないからです。
もしも、お口の中が汚れた状態でマウスピースを装着してしまうと、歯の周りに蓋をしてしまうようなイメージで唾液が流れ込みにくく、唾液による自浄作用や殺菌作用が期待できず、細菌の活動性が高まり、虫歯や歯周病のリスクも上昇してしまうのです。
◎フロスを使って歯間部の汚れを落とす
矯正期間中は、歯の移動が起こることから、歯と歯の間に隙間が生じやすくなっています。
そこに食べかす等が挟まっていると、虫歯の原因になってしまうだけでなく、歯の移動そのものも妨げてしまうことがあるため要注意です。
できるだけ毎回の歯磨きで、デンタルフロスや歯間ブラシを活用し、歯と歯の間の汚れをしっかり落としていきましょう。
※これは矯正治療をしていない方にも言えることで、歯と歯の間は虫歯になりやすい部位なので通常の歯磨きだけで終わらせるのではな く、デンタルフロスや歯間ブラシを活用しましょう。
使用頻度は、本当は毎回の歯磨きで使用してもらうのが理想的ですが、これではなかなか続かないことが多いですので、1日に1回比較的時間の取りやすい夜だけ使用する等、自分の中で無理のない範囲で使用してもらい、それを”継続する”ということが大切です。
◎外出先で歯磨きができない時の対処法
外出時歯磨きが出来ない状況の場合は、水かマウスウォッシュ(リステリン)等でお口の中をゆすいでからマウスピースを装着してください。
※可能であれば歯磨きセットを携帯してください。
◎その他
・マウスピースを外している際は、紛失・破損の原因になりますのでケースに入れて保管してください。
※紛失・破損した場合、再製作が必要になる可能性があります。
・矯正治療中は”3ヶ月~6ヶ月に1度”、かかりつけ医にて”定期検診と歯のお掃除”の受診をしましょう。
このように、矯正期間中は治療前よりも口腔衛生状態が悪くなりがちです。
それだけに、オーラルケアにも特別な配慮が必要となります。
ご自身でお口の中の汚れをコントロールし、自分のお口の健康を守っていけるように日々のブラッシングを頑張りましょう。
矯正治療中のお食事・日常生活・歯磨き方法の注意点について3回に分けてご紹介していきました。
次回は”虫歯”についてお話していきます。